

リファラル(referral)という言葉を耳にしたことはありますか?
リファラルを直訳すると「紹介」「推薦」「委託」などを意味しており、人を介したビジネス手法として知られています。
たとえばリファラルはマーケティングでも有効な手段です。
SNSなどを使って商品を紹介し、その商品に興味をもった人達による紹介によって、商品の認知度アップやビジネスへの採用につなげることができるでしょう。
また、リファラルは営業活用でも使われることも少なくありません。
営業担当者の顧客リストから、新しい商品に興味をもちそうな顧客を紹介してもらうことで、営業活動を効率よく行うことができます。
さらに、リファラルは「リファラル採用」という新しい採用手法として積極的に使われています。
現代では、良い人材の採用は重要であり、採用後に起こりがちなアンマッチによる離職を防ぐことが課題となっています。
それらを解決する採用手段として、企業から注目されている採用手段の一つが「リファラル採用」です。
この記事では最近注目を集めている採用手法である「リファラル採用」について、さらに掘り下げて解説して参ります。
リファラル採用とは、リファラルマーケティングとも呼ばれています。
どちらも人を介して採用活動するという意味で、最近企業から注目されている採用方法です。
具体的には、現在その企業で働いている社員が、仕事を探している友人や知人を紹介し、採用することです。
似たような採用方法として、「コネ採用」「縁故採用」などがあります。
それらはすでに採用を前提としたものであり、選考から採用までのプロセスは極めて形式的なものと言えるでしょう。
それに対してリファラル採用は、自社の社員による紹介ではありますが、それ以降は従来の採用プロセスを経て選考されます。
紹介による採用面接なので、比較的アンマッチは少ないといえますが、「コネ採用」や「縁故採用」とは違うので、社員の紹介であっても不採用となる可能性ケースもあるのです。
そのあたりを考えると、従来の採用方法である「人材採用広告」や「人材採用エージェント」を利用したほうが、何のしがらみもなく採用選考ができそうですね。
それでも企業が採用手段の一つとして「リファラル採用」に注目し、実際に導入することに至った背景とはどのようなものなのでしょうか。
企業がリファラル採用を取り入れるようになった背景として考えられるのは以下の理由と言えるでしょう。
・少子高齢化による将来的な人材不足
・若年層の早期離職が多いという現状
・売り手市場で採用も競争率が激化する中で、ますます難しくなる人材採用
現在の会社構造としては、40代~50代の層が厚く、若手の社員は母数自体が少ないと言えます。
将来を担う貴重な若手社員なのですが、入社後の配属先で上手く結果を出せなかったり、会社の文化に馴染めなかったりすることが原因で、早期退職するケースが少なくありません。
採用担当も過熱する一方の売り手市場のなかで、欠員補充のための採用活動は一苦労です。
従来のように採用広告を出したり、人材採用エージェントに頼っても、求める人材と巡り合うことは難しく、タイミングによっては応募すら来ず、採用面接すらできないという状況も発生します。
従来の採用方法では採用自体が難しい中、新しい採用手段として注目を集めだしたのがリファラル採用です。
ではリファラル採用を導入するにあたり、どのようなメリットがあるのでしょうか。
自社の社員に人材を紹介してもらうリファラル採用には様々なメリットがあります。
従来の採用面接では、応募した企業の面接官に、あれこれと突っ込んだ内容を聞くのはちょっと抵抗があります。
これに対してリファラル採用では、実際にその企業で働く社員から、企業文化や社内の雰囲気について、気軽に聞くことができるでしょう。
応募する側も安心ですね。
ではリファラル採用にはどのようなメリットがあるのか、具体的に見てみましょう。
リファラル採用は、従来の採用方法と比較してコストがかからないというメリットがあります。
採用のために求人広告を出すには、相応の費用がかかります。
人材採用エージェントからの人材紹介による採用は高額な紹介料がかかるでしょう。
その点、リファラル採用は自社社員の紹介による採用方法です。
企業によっては紹介した人材の採用が決まれば、紹介者にインセンティブを出すこともあります。
10万円程度が採用インセンティブの相場と言われますが、求人広告を出す費用や、人材採用エージェントによる採用に対する紹介料と比較すると大幅なコストダウンと言えますね。
リファラル採用は、自社社員が直接リクルーティングし、採用面談までもっていく方法です。
自分が知っている人には元々親近感がわきやすいもので、相手も最近の様子や仕事の悩みなど個人的なことを相談しやすいでしょう。
転職に興味があるようであれば、そこでリクルーティングの話をすることもできますね。
自社の概要や業務内容、さらに企業文化や人事制度、どんな人材がいるのかなど、その企業に勤めていないと分からないことを、しっかり伝えることができます。
両者にとってメリットを感じる事ができれば話は早く、採用までの流れはスムーズに進むと言えるでしょう。
企業にはカルチャーがあります。
企業独特のカルチャーになじむことができずに辞めてしまうケースもあります。
最近では、会社の飲み会が多すぎて辛いという若い人も増えてきました。
一方で、飲み会に付き合うのも仕事だ、と考える古参社員もいるのです。
リファラル採用なら、その企業にいる社員から、企業文化やどんな人たちが働いているのかなどを事前に知ることが可能です。
カルチャーを知ったうえで採用面接を受け入社するので、その後のギャップが少なく採用後の定着率も良いと言えるでしょう。
リファラル採用は、すでにお互いを知る者同士によって成立する採用手段です。
自社に入ってもらうからには、企業側・入社した側の双方から喜んでもらえるようなマッチングをしたいものです。
紹介する側も、優秀なだけでなく、自分の会社で能力を発揮できるかなどをあらかじめ確認することで、より精度の高いマッチングと採用が可能となります。
その結果、自社社員が胸をはって推薦できるような人材を採用するチャンスが多くなることで企業側にメリットが生まれるようになるのです。
リファラル採用は、社員の知人であるケースが多いでしょう。
昔から付き合いのある人であれば、その人の良い点や悪い点、どういう人生を歩んできたかなど、面接では聞けない点を把握できてることは大きな強みと言えます。
それらを総合的に見たうえで、自分の会社に紹介し採用面接をクリアできる人材なのかを見極めることも可能です。
さらに紹介する側の判断基準の一つとして、自分が一緒に働いても大丈夫と思える人を紹介し採用面接を受けてもらいますので、結果として企業側も信頼度の高い人を採用することができるのです。
今後、リファラル採用は進むと考えらえます。
企業が大きく変化する状況下において、雇用される側もリストラや減給、職場環境の悪化などは避けられない事態と言えます。
・人手不足なのに人材の採用がなく毎日が残業
・CSRという名目で会社でのイベントが増え土日も休めない
・会社の業績悪化でボーナスがカットされてしまった
転職を考えてはいるけれど、企業のHPや人材採用エージェントからの採用情報は良い点ばかりで、あまりあてにできないという事実もあります。
そんな中で、よりリアルな口コミを聞ける観点からも、リファラル採用は有効な手段ではないでしょうか。
紹介する側も、採用後のアンマッチは避けたいため、その企業の良い点・悪い点をしっかりと伝えられるでしょうし、仕事を探している側からしても有益な情報でしょう。
ネットで採用に関する情報があふれている時代だからこそ、知人からのリアルな口コミは信頼性も高く、良い点・悪い点も冷静に比較し、自分自身が納得できる判断ができます。
このような背景から、今後の採用活動においてリファラル採用の導入は、今後必要な採用手段ですね。
では実際に、リファラル採用は各企業でどのように導入されているのでしょうか。
リファラル採用の導入を検討している企業は、他社のリファラル採用の導入事例やその効果について、一番気になるところと言えるでしょう。
リファラル採用は、自社の社員の紹介でマッチしそうな人材を見つけるという採用手段です。
リファラル採用という手段だけにおどらされるのではなく、いかに自分の会社で機能させるかを考えることが大事なポイントです。
ただ単にリファラル採用を取り入れただけでは、採用手段として機能することは難しいと言えます。
自社で採用手段として機能させるにはリファラル採用に対して社員に理解をしてもらうと同時に、リファラル採用についてのルールも整備する必要があります。
つまり、リファラル採用を採用手段の一つとして本気で導入するからには、それなりに準備し、この採用制度を育てていく必要があるという点を認識しておく必要があるでしょう。
また自分の会社にとって実際に運用できるか、リファラル採用を行っている企業の事例を見ながら考えてみましょう。
ベンチャー企業の営業職の採用はなかなか厳しい側面があります。
・ベンチャー企業は知名度が低く、従来の採用方法では人材確保が難しい
・急成長する一方で、人手が足りないため、人材採用は急務
・どんな商材でも扱える、即戦力となる営業職員を採用したい
このような状況下でこそ、リファラル採用は有効な採用手段と言えるでしょう。
特に営業職については、扱う商材によって売り込み先へのアプローチはかなり異なります。
会社が急成長して人手不足とはいっても、数だけの採用は意味がないでしょう。
リファラル営業であれば、自社が扱っている商材の特徴や、相手がその商材を扱うことができるかを見極めた上での採用が可能です。
双方で話がまとまれば、企業側も即戦力となる人材をスムーズに採用することができるのです。
また紹介で入社した人も同様に、同じスキルをもった人たちとのネットワークを生かし、口コミでの採用が増えるなど良い循環ができる可能性もあります。
リファラル採用は、中途採用にあたり有効な採用手段と考えられがちです。
ところが最近では、新卒採用でもリファラル採用は一般的になりつつあります。
実際に、あるベンチャー企業のインターン生の採用事例を見てみましょう。
・インターンに来ている学生をそのまま採用する
・自分の同期にもアプローチして一緒に採用試験を受けてもらう
中途社員と違い、学生は仕事そのものよりも、「人」とのつながりを重視する傾向があります。
就活している学生は、まだ自分が何に向いているかわからないことが多いため、同期や先輩の影響を受けがちです。
インターンに来ている学生であれば、企業文化やどのような人達が働いているかを知っているので、非常に採用しやすい状態にありますね。
さらにインターンで良い経験ができれば、同期に声をかけ、一緒に採用面接を受けて入社することも十分考えられます。
実際にリファラル採用で入社した社員が、今度は後輩に声をかけることで、同じ価値観をもった人たちがまた採用面接を受けるという循環ができてきます。
このようにベンチャー企業でリファラル採用を導入するには、インターン生と良いコミュニケーションをとることが、採用成功の秘訣と言えるでしょう。
リファラル採用は人と人のつながりによって成り立つ採用手段です。
複業人材の働き方の醍醐味は、自分がもつ様々なキャリアのひとつひとつを適所で最大限に発揮できることでしょう。
企業側にとっても、不足している部分のみを補ってもらえる人材が採用できたら、好都合ではないでしょうか。
しかしながら、現実的に考えると、企業側にとってはパラレルワークの採用は難しい側面もあるでしょう。
・優秀な営業マンだが、飲食店を経営しているため毎日定時退社。残業が頼めない。
・有能な秘書だが、タレント活動もしているため、撮影などで突発的な休みがある。
ちょっと極端な例ではありますが、表面上だけで複業解禁し、パラレルワーカーを採用しても、企業側も採用される側も不満が出てしまいます。
逆に双方が快適に働ける環境を整備すれば、お互いの関係はWin-Winとなるでしょう。
そして働く環境が快適であれば、同じ価値観をもつ人たちが自然と集まるようになり、人と人とのつながりによるリファラル採用が良い循環で動き始めます。
こうなれば、企業側にとっても採用コストは軽減され、さらに採用にかかる手間をかける事なく、必要なリソースを確保することができ、リファラル採用のメリットを十分に受けることができるでしょう。
副業・複業人材を探したい・採用したいならばAnother worksへの登録をおすすめします。
Another worksはもともと複業・パラレルワークの働き方や採用についても推進している企業で、色々なスキルをもった幅広い人材がパラレルワーカーとしてAnother worksに登録しています。
従来の人材採用エージェントとは異なり、採用にあたり高額な紹介料やその後の成功報酬も無料のため、営業開始したばかりの企業にとっては採用に関する初期費用を抑えることができます。
また採用面接に応募してくるスタッフとは直接交渉できるため、報酬面だけでなく、働き方なども相談しながら柔軟に対応することができます。
働く側、雇用する側の双方で納得したうえで契約できれば、採用後のアンマッチを防ぐことができますね。
初めてパラレルワーカーの採用を検討している場合、どのような業務を切り出せるかなどは、経験豊富なAnother worksがご相談に乗らせていただくことも可能です。
パラレルワーカーの採用は働く側・雇用する側にとってもメリットは多く、今後ますますパラレルワーカーへの採用ニーズは高まるといえるでしょう。
良い人材を採用し、効率よく営業をしていくためにも、ぜひAnother worksをご活用ください。