平崎 葵
釧路に生まれ、高校まで釧路で過ごす。
卒業後札幌のIT専門学校に3年間通い、東京に出て2年間システム開発会社に就職。激務や人間関係に悩み、業界離れて地元に帰り、飲食業や講師業、NPO法人などを経験。20代は旅にもでるなど自由気ままに生活。30歳で結婚したことを機に、再度上京し、結婚、転職、新婚旅行、引越し、双子の娘を出産などプライベートも多忙の中、IT業界に復帰。
2年SESの会社に勤務後、独立してフリーランスになり今に至る。

フリーランスとしてのモットーは、
* お金よりも信頼を大事に
* 継続は力なり
* 一生勉強
* 好奇心と行動力があれば大体の道は切り開ける
* 上手くいかなくても周りや環境のせいにしない

趣味は音楽・作曲、ドラムを高校から担当。今年になりバンド活動再開。
好きな音楽は* 90年代ビジュアル系、J-ロックバンド全般* 谷山浩子さん * 中島みゆきさん  * 相対性理論 * スピッツ * たま * THE BACK HORN* Helloween * The Beatles など。最近はヨルシカ、ずっと真夜中でいいのにがお気に入り。

現在の複業スタイル

ーまずは、現在のお仕事内容を教えてください。

フリーランスでエンジニアをしています。フリーランスになってからは今年3年目になり、エンジニア業界は通算7年目くらいですね。

仕事の内容としては、業務委託の形式で、webサイト開発やスマホアプリ開発などをしています。ロボットのソフトウェア開発もしており、株式会社Re-alではリアルハプティクス技術(触覚をデータ化してインターネットなどで遠方と共有できる技術)を用いた遠隔釣りロボットを作っていまして、釣りをしている時の釣具の振動や、魚に引っ張られる感覚を遠隔でリアルタイムに体感することができ、釣り場に行くことなく本当にそこにいるかのように釣りを楽しむことが出来るロボットを開発しています。この会社では開発責任者として参画していますね。

Realのロボットをつくる仕事、Another worksでのアプリ開発の仕事と、お世話になってる会社さんのwebサーバー作ったりなど、現在は3社に参画しています。

ーさまざまな業務をされているんですね。それは業務を別々にスキルを学習されたのですか?

そうですね。フリーランスとなると、基本1人ですべて取り組まなければならないので、自然と幅広く技術や知識を知ることになります。

プログラミングという点では、専門学校で3年間C言語やjava, phpなどを通して基礎部分をガッチリやったので、それが活きているなと思います。特にRe-alの仕事はハードウェアに近い部分で細かい通信制御などを行うので、専門学校の経験が非常に役に立ってます。

ただ、プログラムが書ければ良いわけではなく、様々なツールや設計手法など覚えることが多いのがこの業界の大変な所で。しかも技術面で移り変わりの激しい業界なので、あっという間に持っている知識が古くなったりします。

もちろん作っているものの業務的な知識も必要だし、プロジェクト管理とかコミュニケーションもあるので。それらの知識は社会にでてから実務を通して学んだのがほとんどですね。

ー1週間の複業スケジュールを教えてください。

現在は3件の仕事を、だいたい週5に収まる範囲でやっています。 基本リモートの仕事が多いですが、コミュニケーション面を考えて出社することもあります。

基本、曜日でどの仕事をするか決めていますが、先方と相談した上で時間配分や稼働日を変えることもあります。プロジェクトで繁忙期がありますし、プライベートの予定があったりするので。

自分で仕事を増やしたり減らしたり、柔軟に対応出来る事はフリーランスの良い所だと思いますね。フリーランスになるために猛勉強していた年があったのですが、昨年はその反動で少し休みたいなと思い、数ヶ月週3-4の稼働にし、ゆっくりしていましたよ。

ー複業を行う中で、上手く仕事を回す秘訣などはありますか?

キリの良いタイミングで仕事を終わらすなどして、なるべく次の日に作業や悩み事を残さないようにしています。急な連絡だと別ですが、1日に行う仕事は1件にしてます。頭の切り替えをするのって結構大変なんですよね。

それと、リモートが多い分コミュニケーションには気を使っています。チャットだとなるべく丁寧に、簡潔に書くとか。私の場合はまず結論やお願いしたい事から書いて、その後に理由を書いたりします。あと箇条書きとかよく使いますね。SlackだとMarkdown形式で書けるので、読みやすさも考えて工夫しています。

後は、自分用のメモをなるべく取るようにしています。一度経験した事を仕事でやることになった時、同じように時間をかけて調べるのは効率が悪いじゃないですか。エンジニアとしてのノウハウも同じで、一度やったことはすぐに出来るようにする工夫をしています。

家族のことを想ってフリーを選択

ーフリーランスに至る経緯と、ご自身の経歴について教えていただきたいです。

ITの専門学校を卒業後、新卒で2年間ITの会社にいました。当時、仕事も人間関係も上手くいかず、残業も多く、とにかく忙しくて、嫌気がさしたので退職して地元に帰りました。

その頃は漠然と「人生経験を積みたい」と思ってたので、違う職種の仕事をいくつか経験しましたね。パソコンの先生とか、NPO法人とか飲食業、接客業など。

20代は自分の興味あること、好きなことをする期間として、30歳以降になったら仕事に本格的に取り組もう、というざっくりとした人生計画を考えていたんですよね。

なので20代は仕事以外でも長期旅に出たり、趣味の音楽や作曲に明け暮れたり、自由気ままに生きてました。

30歳になり結婚したのですが、当時の仕事はNPO法人で。NPOは非営利組織なので、給料はあまり期待できないんですよね。そうすると、当然家族を支えていけないじゃないですか。子供も欲しいし、もっと収入のある仕事を始めなければ、と思ったんです。

そこで、元々プログラムを書くのは好きだし、IT業界は自分に向いているなとは思っていたので、もう一度エンジニアとして就業しようと、5年前、東京に出てきました。

その後ベンチャー企業に就職し、そこで約2年間SESで、3~4件の現場を経験しました。

そこで知り合った人と今だに会ったりしますし、SESとして学んだことはフリーランスになる為の力となっています。色々な現場を経験でき、色々な人と知り合うことができる面では、SESは良いと思います。

しかし、そこの会社の給料だと双子を育てていくのは難しくて。子供が産まれて家族との時間も大切にしたいこともあり、どうしても会社の行事や方針とは合わなくなってしまったので、フリーランスになることを決めました。転職することも考ましたが、会社を転々としても同じことを繰り返すだけだなと思って。フリーランスになることを決断しました。

ーフリーランスになる際、ご家族はどのような反応をされていましたか。

もちろん最初は反対されたし、特に妻は不安に思ったと思います。その時子供がまだ1歳で、これからお金がかかるじゃないですか。そのタイミングで会社員を辞めてフリーランスになって自分で稼いでいくって言うんですから。

ー当時は、心配されるご家族にどのような説明をしていたのですか?

まずはSESの業界の仕組みをなるべくわかりやすく説明して、フリーランスになるとこのくらい収入が増えるよ!と力説しました。

それと、年功序列や終身雇用といった従来の日本の働き方はもう古く、生き抜く力をつけて、会社や組織に頼らない生き方が出来るようにならなきゃいけないと考えていることを伝えて。

最初は不安だし大変かもしれないけど、今からフリーランスをやっていた方が長い目で見て良い結果となると思っているし、安定や収入は自分で勝ち取るものだと思っている事を伝えたところ、最終的には家族にもやってみたら、と言って貰えたんです。

信頼と継続を重んじる

ーフリーランスとして、お仕事をする上で重要視していることがあれば教えてください。

フリーランスになった時に心に誓ったことがいくつかありまして、その中で特に「お金よりも信頼を大事にしよう」「継続は力なり」「ご縁を大切に」の三つを大事にしてます。 

フリーランスになってつくづく思いますが、同じようなフリーランスのエンジニアが沢山いる中から、僕を選んでくれるっていうのは凄く有難いことで。

だからこそ良い仕事をしたいと思うし、期待以上の成果を出せる自分でいたい、また一緒に働きたいと言ってもらいたい、という気持ちが強くあるんです。

良い仕事をしたらそのまま次の仕事に繋がることもあるし、そこから周りに評判を広めてくださって、他の会社さんから声がかかる事にもにも繋がったりするんですよ。そういった流れは大事にしていきたいですね。

人から信頼を得るのは大変なことです。築くのは大変だけど、壊すのは一瞬で出来ますし。

勉強や楽器の練習にも通ずるものがあると思うのですが、「地道に継続して何かに取り組む」というのはすごい大事なことだと思うんです。一度、やるぞ!とやる気が生じても、実際に行動に移して結果が出るまで続けないと、結局やらなかった事と一緒なんですよね。

そう言う意味で、やると決めたものは「継続する」事を大事にしています。私が言う継続は、目標を達成する為なら途中で逃げてもいいし、だらけてもいいし、飽きてもいい、という事であって。頑張ることも大事ですが、その分自分を許すことも大事だと思うんですね。

一歩進んだり下がったりしながら、最終的に目標を達成できたらそれでいいじゃないって考え方です。

それと、私は人との出会いは何かしらの意味があると考えています。

例えば東京は人がたくさんいますが、お話する機会があるのってほんの一握りじゃないですか。

その中で、知り合う機会があってお話したり一緒に仕事できたりするのって一言で「ご縁」なんですよ。

このご縁をどうするかは自分次第です。良い出会いにすることにもできるし悪い出会いにすることもできる、そのまま何事もなく通り過ぎることもできる。自分次第です。

私の場合はお互いが「知り合えて良かった」と思えるように接しようと思ってます。

出会いを大切にという意味では、私は自分にできない事を一つでもできる人は年齢性別問わず尊敬するようにしています。

なんというか、謙虚さと感謝の気持ちは忘れやすいんですけど、忘れないように心がけてます。

そういう訳で、「お金よりも信頼を大事に」「継続は力なり」「ご縁を大切に」を大事にしています。

お金は後からついてくるものだと思っていますし、自分の価値が本当に高まっていれば、

無理に単価を上げなくても勝手に上がっていきます。目先のお金を追うことよりも大事なものがあり、それを大切にしていきたいというのがフリーランスとして重要視していることですね。

フリーだからこそ、インプットの場を自ら創り出す

ーフリーランスとして活動する上で苦労されることはありますか。

率直に言ってフリーランスは収入は安定しないので、常に次の仕事や将来のことは考えていますね。仕事は基本、エージェントなどの仲介業者(営業代行)を介さず直接契約しているので、よりハードルが高いのかもしれません。

生活の面だと、現実的な話をすると保険面とか老後の年金とかですかね。なにせ妻は専業主婦だし、家族4人分自分の稼ぎだけで払わなくてはならないので。

会社員の頃は自分の仕事をしていればそれで良かったけど、フリーランスになると自分で考えなくてはならない場面が多い、という点もありますね。

ー逆に、フリーランスとして活動するメリットだと思えることはありますか。

とにかく、自由という事ですかね。笑

全部自分で責任を取るから、自分のやりたいようにやらせてくれ!みたいなスタンスで生きてます。笑

そういう意味だと、プレッシャーに感じることもありますが、会社員時代のような余計なストレスはないです。私の場合、会社員からフリーランスになってメリットしかありませんでした。心底フリーランスの生き方が向いているんだなと思います。

会社員では出来ないような経験を沢山出来るので、技術面だけではなく勉強になることが多いです。1つの会社にずっといると、その会社でのやり方は効率よく出来るようになるとしても、その会社外では通用しないスキルもあると思っていて。そうなると、歳を重ねる毎に将来の選択肢も少なくなり、不安になってしまうのではないかなと思います。そういった点では、様々な会社のやり方を学べるのもいいですね。

また、全ての責任を背負うことになるので、中途半端なこととか適当なことができない。フリーランスになった時に退路が断たれたことで覚悟が決まったというか、迷いがなくなりました。立場や責任って人を成長させるんだなと思います。

それとお付き合いする人たちも極端に変わったのと、面白いことをやっている人たちと知り合う機会が格段に増えたのも良かったと思います。類は友を呼ぶと言いますか、自分が変わればお付き合いする人も変わるんですよね。

ーフリーとして活動されている方は、アウトプットが多く、インプットが少ない印象があります。勉強などの時間は現在どのように確保していますか。

確かに、フリーになってからはインプットする時間は限られてしまいます。私の場合は家族や子供もいるので尚更ですね。なので、ちょっとした工夫をしています。

業務中に調べたことはメモしたり、まとめたりして引き出せるようにしておく事。それと、情報収集の場としてもくもく会を主催してます。エンジニアの多いもくもく会で、お話ししているだけで色々なことを知れます。何かを知ろうとする時、一から自分で調べるよりも、知っている人から教えてもらった方が断然良いです。

ただ、私の場合は知識・経験は財産と考えているので、相手が何か私に教えてくれたなら、私もその分何か返すようにするというスタンスでやってます。

あとは、世の中すごい人って沢山います。もし「この人みたくなりたい!」と思える人と知り合えたら、その人と一緒にいる時間を多くして、知識だけじゃなくて生き方・考え方とか学んで、なるべく多くのことを吸収しようする姿勢も大事かなと思います。

私の場合はドラムの師匠や専門学校の先生、仕事で知り合った社長さんなど、根底から価値観を変えさせてくれた人と「ご縁」があって知り合うことができました。

今でも尊敬していますし、私のお手本となる存在です。

そもそも私は勉強自体は好きなんですよ。

出来なかったことが出来るようになる、知らなかったことを知るのって、達成感があるし楽しいじゃないですか。社会人になっても勉強は続くし、私は人生一生勉強だと思ってます。

学生の頃は勉強嫌だって思ってましたけどね。笑 大人になってからその大事さに気がつきました。

自分の価値を上げる為に、まず複業を

ー今後のことについてお聞きしたいです。今後フリーランスとして、理想の状態などはありますか?

フリーランスとしてということですが、私の場合は家族が大事なので、まず家族が幸せであってほしいです。家族を守り、娘を一人前に育てる事が親の務めですし、できれば娘にも「生きる力」を持って、自分で道を切り開けるような人になってほしいかな。

仕事面は信頼出来る人とずっとワクワクしながら色々なことにチャレンジしていきたいです。

一生勉強ですので、これからも好奇心を持って自分を高めていきたいですね。

趣味だと、ドラムが好きなので、気の合う人とバンド組んでずっと音楽やっていたいです。

ー直近でチャレンジしていることはありますか?

技術者としてだと、インフラが弱いので、AWSとかの勉強を進めてます。お世話になっている会社でUnityを使ったプロダクトの話があったりもして、まだまだ覚えなきゃいけないことが沢山ありそうです。笑 そのプロダクトでも貢献出来たらいいなと思っていますね。

また、新しい会社の仕事にもチャレンジしています。

きっかけは、仲のいい営業の方が仕事をとってきてくれて。自分が出来る内容であったので、出来ることを活かして参画していく予定です。

 最近時間が取れていないのですが、英語と数学の勉強は続けてます。スローペースではありますが。歴史が好きなので歴史の勉強なんかもしますよ。

趣味だと、最近社会人バンドサークルに入りました。これからが楽しみです!

ー将来不安に思っている人は、そういう人がまず最初に何をしたらよいのでしょうか。

不安に思っている事が仕事や将来、収入についてなら、やっぱり自分の価値を上げることが大事かなと思います。ここでいう価値というのは「人脈、知識、経験、センス、運」など幅広い意味で。それは一括りに言うと、生きる力だと思っています。

年功序列や終身雇用といった生き方は今後通用しない中で、一つの会社にずっといるのではなく、複数の会社に所属するのが当たり前になる世の中が来るんじゃないのかなと。

そうなると、その会社でしか通用しないスキルや知識って価値が低くなってくるんですよね。

ので、もっと外に出て様々な知識を学ぶ事が、生きる姿勢として大事だと思います。さまざまな事を勉強したり、人と知り合ったり、チャレンジしたりしてじっくり自分の価値を上げていくのがいいんじゃないでしょうか。

最初は簡単な仕事を受けてみるのも手です。仕事しながら自分の価値を高めつつお金も入るし、一石二鳥にも三鳥にもなりますね。

ーこれから複業を考えている方にむけてそういうかたにアドバイスなどなにかメッセージはありますか。

1回やってみればいいじゃない、と思います。

会社だけでは安泰とは言えないし、給料を上げるよりも複業した方が収入は簡単に上げれると思います。

私はフリーランスで常に2-4件くらいの仕事を並行で受けてますが、収入の口は複数あった方が安定するし、頑張れば頑張った分見返りもあります。自分の価値も上がるので、このスタンスを選んで良かったと思っていますね。

何事もそうかもしれませんが、やり始めの時が一番勇気が必要だったり、不安に思ったりするんですよね。けど、いざ始めてしまうと「案外こんなもんか」と思うこともありますし、楽しさに目覚めてやりすぎてしまうこともあります。笑 

ましてや複業は自分で選べて調整もできるし、仮にそれが失敗してもリスクは少ないじゃないですか。なので、複業を始める事はあまり重く考えずに、興味がある方はぜひ一度やってみることをお勧めします。

それと、自分の目的・目標を再確認するはかなり大事だと思います。

要は、「なぜ複業するのか」です。

理由は人それぞれだと思うのですが、例えば「美味しいご飯がたべたい」とか「買いたいものがある」とか「旅行にいきたい」「投資したい」「独立を目指している」「今の会社だけだと不安がある」とか。。。

将来どんな人生を送りたくて、どういう人間になりたくて、そのためにはどのくらいお金や時間・人脈などが必要で、どういうスキル(生きる力)・人間力があれば実現できるのかを考える。

これは1日2日考えて見つかるようなものでもないと思うので、行動しながらゆっくり考えるスタンスが良いと思います。

その足がかりとしてリスク少なく簡単に始めれるのが「自分がちょっと頑張れば実現できる範囲で複業を一つ受けてみる」ことだと思います。

そして、それを継続して続けれるよう、実現できるよう「なぜ複業するのか」を再度自分に問いかけていく。

それを繰り返すと、何かが見えてくる気がするんですよね。自分のスタンスとか得意分野とかもそうだし、「本当は自分はこうなりたかったんだ」とか。

こういうのって一人で考えていてもなかなか見つからない。やっぱりいろんな人と会っていろんな価値観と触れ合って、色々な事を経験してわかってくる事なのかなと思います。

そういう意味で、「複業」というのはまさに今の時代にマッチしていると思いますね。

この考え方が主流になる時代が来たらいいなと思っています。

ー平崎さん、本日はありがとうございました!