古澤 英輔
新卒はみずほ銀行に入り、㈱コーチ・エィにて経営者、役員、管理職向けのエグゼクティブコーチングサービスの営業マネージャー担当。コーチとしては300名以上のクライアントとコーチングの実績を持つ。 その後はスポーツITスタートアップを1社経験した後、㈱アールスクエアアンドカンパニーでセールスイネーブルメントという営業組織の人材育成業務に、コンサルタントとして従事。

データで会社を見える化するコンサルタント

ーまずは現在のお仕事内容を教えてください。

セールスイネーブルメント、という営業組織の人材開発をデータドリブンでコンサルティングする、アメリカで出来た概念を日本で専門にやっている会社です。具体的に言うと、数字で分かりやすい営業組織のハイパフォーマーが出していく結果から逆算して、そのよう人はどういった行動を取っているのか、その行動を取れているのはどのようなスキルがあるからなのかを、データで全部管理するんですね。

データから逆算して、必要なスキル、それを培う為の適切なトレーニングなどを可視化、見える化して、実際に提供してみる。ハイパフォーマーの定義もちゃんとデータからつくり上げ、最終的には育成のところまでご一緒する。本当に行動が変わったのか、成果が変わったのかまで追っていく、という横断的なコンサルティングを行い、クライアントの内部まで入り込むシステムですね。

クラウド上で対応し、最終的にお客様にシステムで運用してもらうのが理想の姿で、β版を今年の6月にシステムローンチに向けて今動いているフェーズです。

複業はコーチングを中心に3つ

ー複業のお仕事内容について、教えてください。

細かく言うと3つあります。全て個人として行っています。1つ目は、スポットコンサルティングとしての形。2つ目は、ビジネスマンへの1対1でのコーチング事業ですね。私自身がもともとコーチングの資格を持っていて、ビジネスコーチングの会社に9年半くらい勤めていたので、ビジネスマンへの1対1でのコーチングを2-3人くらいクライアントさんを持ちながらやっています。

3つ目は、コーチングを組織に根付かせるという形で、toB向けにコーチングを発展させたものを行っています。経営者がその会社全体を見ていく為に、経営者自身もエグゼクティブコーチングをしつつ、その中で出てきた課題や懸念点を、一緒に解決に向かう、という形ですね。

例えば、役員を育てたいが役員にどういうアプローチをすればわからない時、経営者と話すだけではなく、役員の人にインタビューをしてみたり、アンケートを作成し、従業員側が感じている自社の強みや課題をすくい取ってみたり。そういったプロジェクトめいた形式で参画しています。

2つ目と3つ目は近しいと思うのですが、toCでやっているのが2つ目、toBでやっているのが3つ目。両方ともコーチングという軸ですね。すべて始めたのは昨年11月頃からになります。

こちらはAnother worksさんを利用している中でお声がけ頂いたことがあって、「あ、to B向けのコーチングってニーズあるんだな」というのを認識することが出来、友人の会社で実施することにしたのがきっかけですね。

複業に出会うきっかけは転職活動

ー複業を始めるに至った経緯を、ご経歴に沿って教えてください。

新卒はみずほ銀行に入社し、2年半は支店の法人営業をしていました。その2年半の間、若手の時は研修を受けることが多くて、そこでコーチング研修を受ける機会があったんですね。そこで初めてコーチングを知って、興味を持ちました。研修に来ていたコーチと話してみたり、セミナーに行くことコーチングを面白いなと思い、㈱コーチ・エィに転職したのが2社目です。本当に勢いで決めた感じでした。特に他社と比べたりせず、これだと思って。

そこから9年半、法人営業のプレイヤーとして、またプレイングマネージャーとして法人営業のマネージャーもやりつつ、1対1のコーチングをしていました。エグゼクティブコーチングから、コーチングの研修、ワークショップなどを1対2,30人で行うような事もしていました。

次の転職を考えた理由としては、会社のビジネスモデルが当時(2017年12月)、WebやITを利用しない会社であることが、会社のスケールとしても、自分自身のキャリアとしても不安に思ったんですよね。このままこの会社で成果を上げ続けてキャリアを重ねる選択肢も考えたのですが、あと40-50年この仕事一本で生き残れる感じもしないし、自分の情熱が続く感じもしませんでした。

WebやIT系の仕事にシフトしたいと思い、転職活動を始めました。いろんな会社を見ましたが、一番面白く感じたのがネクストベースというスポーツ系のITの会社でした。ここでの仕事が前職となります。2020年の1月まで在籍していました。

私の人生の中では大きい決断でした。職種も業種もチェンジしたんですよ。Webのメディアの編集長もやりながら、SaaSサービスのカスタマーサクセスもやりつつ、採用もやりつつ、様々な仕事を担っていましたね。

現在の会社に入社する事となった転職では、自分がやりたいこととはなんだろう、ということだけでなく、自分が価値を出せることはなんだろう、という事を深く考えていて。というのも、今回は、今までの転職のようにやりたいことだけを追求する事は難しかったんです。

家族もいてある程度の年収は欲しいですし、そのためにはきちんと価値は出さないといけない、という中で、やりたい事とのバランスをとらなくてはいけなくて。今までとは転職の軸が大きく変わっていました。

単純に転職エージェントと話しているだけでは何をするのが自分にとってベストなのかしっくりこなくて、もう少し自分でアウトプットしながら考えようと思ったんです。Twitterで情報発信したりとか、Another worksをはじめとしたサービスに登録して検索してみたり、プロフィールを登録して案件を獲得するために動いてみたりとか。転職エージェントを通じて案件をもらうのと同時並行でやってみたんです。

結果内定を頂いた会社さんが6社くらいあって、自分で直接アプローチしたり、SNSで探した仕事だったんですね。転職エージェントさんを通じて面接を受けたのは1社だけでした。今までの転職活動のように、エージェントから情報をもらって検討するという受身の活動だったら体験できなかったことで、自分からアクションすることの影響力の大きさに気づきました。

ちなみに、現在の会社を選んだ理由は、今までの自分のキャリアのレバレッジが最も利くというのも大きかったです。営業組織の人材開発であり、これからSaaSのサービスがある中で、私自身がみずほ銀行時代から営業をやってきているという所と、人材育成という領域もコーチングの経験があるので。

また、前職で、データ分析の面白さも体感したことも繋がり、全部今までの自分の興味が繋がった感じがしたんですね。最も自分もやりたかったし、求められる価値も出せると感じられるを会社だったので、ドンピシャだなと。

そして、今いる会社の枠を出たときに市場的にどのくらいの価値があるのか、実際に出てみないとわからない、というのをその当時感じました。出てみる前までは若干私も不安だったりしたところもあったんですけど、自分のできる事に自信が持てたり、逆に自信があった事の中でもマーケット的にはあまり評価されないものもある、というのも正確にわかる。これが、複業という選択肢を生み出すきっかけの一つとなりました。

転職活動を通じて、自分の価値を知れるのも面白かったですが、何よりアウトプットした結果、相手に役に立つことができ、その対価として個人としてお金を頂けた経験ができたのが面白かったんです。というか、めちゃくちゃ嬉しかったんです。会社という看板を外した自分に対しての価値がお金で取引がされた、という経験が出来たのは、自分にとっては大きかったですね。

なのでやっぱり複業をして、本業だけだと感じることが出来なかった感情が手に入ったことも、複業をするようになった一つの理由です。

本業第一、複業は朝の時間や本業外の時間に

ー普段本業・複業をされるにあたって大切にしていること、ポリシーがあれば教えてください。   

スタートアップに入って2ヶ月であり、本業の会社も成長を望んでいる時期なので、現在は本業第一でやっています。なので本業で成果を出すことに100%コミットしており、平日の夜や週末の空いた時間で複業をしています。今の意識で言うと、本業には影響しない範囲でやっているというのが、実際の所に近いです。

ただ、惰性で流れてしまわぬように、必ず週に2回くらいは朝の時間帯に、本業じゃない仕事について考えるようにしています。自分が複業でやっていることを紙に書いて整理してみたり、Another worksのようなサービス内で検索をしてみたり。検索してみて、面白そうな企業があれば気になるを押してみるとか。小さいアクションですが、それを続けることが本当に大事だと思っています。頭をリフレッシュすることにもなっているかも。

ー本業と複業を上での時間の使い方や、頭の切り替え方の秘訣を教えてください。

私の場合、現在のフェーズでは、本業はやりたい事という軸で仕事をしていますが、複業は基本的に自分の出来る事で仕事をしているんです。経験やスキルベースですね。なので、整理する時間が必要な案件、新しいことをインプットする必要がある案件は取らないようにしているんです。

基本的に準備時間少ない中で、自分が価値あるアウトプットを出せるものに限定して、複業を選んでいるんですよ。それがある意味タイムマネジメントになっているのかもしれないですね。

ー他に、習慣化しているインプットの仕組みはありますか?

友人とちょっとした話をする時、複業の事は自然に話すようになっていますね。最近自分はこういうことをしている、という話をすると、自分がやってきたことが体系化されたりするので、整理されるんですよね。転職するとしても、履歴書が書きやすくなったりする副次効果もあって。

逆に、友人が始めた事を知ってこちらが刺激を受けることもあります。情報交換も出来るし。良い刺激として、友人と話すことがで複業を意識し続けられているポイントだと思っています。

家族もできて、いつ自分の仕事がなくなるかわからない不安も抱えている世代であり、周りでも、複業など新しいことを始める人が少しずつ増えている感じがしますね。良い環境だと思います。

情報収集や人と会う事に対しては、少しでも興味があったらトライする、というのが価値観であります。Twitterなども使用していますが、そこでも採用募集している企業もありますし、転職活動していた時はとにかく自分で手と足を動かして情報収集していました。

また、去年と今年で5-6人ほど、ツイッターで知り合った方ととランチをしましたが、全部面白い経験だったんです。自分から発信(アウトプット)するツールとして、Twitterとか新しいプラットホームを使ってやってみないと、手に入らなかった情報や会えなかった人がいました。本当に行動してよかったなと感じました。

複業にはメリット多数

ー多くの転職をご経験されている古澤さんですが、転職活動の中で、悩んだ事、躓いた事があれば教えてください。

転職活動をして気づいたのは、超当たり前なのですが1回1回エネルギーがめちゃくちゃいるということですかね。特に複業をやっていない状態、本業だけをやっていた状態から転職活動をするというのは、かなりエネルギーを要したなという感覚を持っています。自分の価値を考え、棚卸から入らないといけないし、コミュニティに属していないと、自分で職を探しに行かねばならなかったり、いろんなエネルギーが必要になるんです。転職のタイミングで1から考えるのは結構大変だなと。でもそれは普段から出来る事なんですよね。

もっと前から知人から情報を聞いたり、Webで検索したり、SNSで検索したり、という事を日常に意識化していたらそういうことも必要なく、自然に、エネルギーを消費しすぎずに活動できたかなと思います。

他に、転職エージェントに定期的に相談してみるのも手だし、複業をしている事自体も、自分のなんらかをアウトプットし続けて評価され続けるので、とても有効であると思います。

特に私達、30代はある程度の即戦力化を求められるので、採用で問われることって「あなたは何が出来るのか」という所だと思うんです。どれだけ素晴らしい経験を持っていたとしても、経験が言語化できないと伝わらないし、伝わらなければ評価されないので。なので、普段から棚卸をする事をお勧めします。

ー複業をする中で、メリットだと感じる部分はありますか。

複業に関しては、出来る事かつ、この人の為だったらやりたいな思える案件のみお受けしよう、という事を決めているので、複業時間は全然苦ではないんです。とにかく楽しんで出来ていて。本業があるので、余裕をもって、楽しめる仕事を選ぶことはメリットかもしれません。

また、試行錯誤を、自分自身でいくらでも出来るのが面白いと感じています。コーチングの複業を始める際に、以前コーチング会社で行っていたコーチングが、2年間のブランクによって、ちょっとコンサルチックになっていて。人の話聞けていないな、という自分に気づいてたんですね。でも、今までのコーチングが出来なくても、コンサルタントの要素も詰め込んだコーチング、としてスタイルチェンジする方向性もアリだなって思って。

あとは、新しいことに目を向けられるようになりましたね。自分自身が面白い時間を作っていくとか、面白い人と繋がるためのきっかけを探しに行っているというか。能動的に行動する感覚が、未だに転職活動終わってからも続いています。

これまで、自分から行動してアウトプットとすると言いましたが、そればかりでは疲れてしまうと思うんです。なので、同時に何かしらの、プラットフォームに登録しておいて、受身でもそういう情報が自然に入ってくるような状態にすると良いと思いますね。

本業と両立しながらコーチングに関わり続けたい

ーこれからチャレンジしたいことや今後の展望があれば教えてください。

一番は今の本業が本当に面白いので、会社を大きくしたいです。その為、複業で得た人脈などもフル活用していきたい、というのがありますね。会社を大きくするというフェーズを自分自身は経験したい。

それと、コーチングや人の育成をもっと進めていきたいと考えています。凄く好きなことであるし、コーチング自体を知らない人にも広めていきたいですね。実際のコーチングを受ける、するだけではなく、動画でレクチャーしたり、コーチングについてわかりやすく伝えてみたり。コーチングはもっと身近で面白いんだ、という事をSNSで発信していけるといいなと思っています。

Twitterで見て良いなと思った事例が一つありまして、ドラゴンボールのキャラの性格分析みたいなものがあって。例えば悟飯は慎重なタイプなので、慎重なタイプにはこういうコミュニケーションをすると悟飯はモチベーションが上がるんです、それを職場に置き換えると、こういうことです。みたいな。笑
凄くわかりやすくて、身近に感じられて。

コーチングの1つのやり方に相手を自発的にさせるという事があって、その為にはまず相手を知ることが大切なんです。相手がどのようなことを大事にしているのか、ある程度性格をプロットすることが出来て、プロットしたこういうのにはこういうことが当てはまるのではないかと。

そういった、コーチング的な観点での物の見方を面白おかしく伝えるというか。自分だったら一応Webメディア運用の経験もあり、SNSなどで発信した経験があるので、今までやってきたことをもっと世にアウトプットして出してみて、自分個人でも生き残れる状態っていうのは作りたいですね。

前職でWebのメディアを運用していたとお話しましたが、めちゃくちゃ面白かったんですよね。限られた所ではなく、いきなり全世界に知られてそこからの反応だったり、アクティブユーザーの推移を分析したりする事が面白くて。

とにかく一歩進めてみる

ー最後に、これから複業や転職、新しいことに挑戦される方に対して最初にまず何からするべきか教えてください。

これは自分への戒めも込めてなんですが、2つあります。1つ目はアウトプットを、日頃から何らかの形でやっていたほうがいいという事。Twitterでもいいし日記を書くでもいいけど、出来れば世の中に発信する系の方がいいんじゃないかって思います。思ってもいない所から話しかけられてご縁が生まれたりとか、自分だけでは考えられないような良い結果が起こりうることがあるので。日頃から世の中に何らかのアウトプットをする、というのはオススメです。

もう1つは、自分が今気になっている事をとにかく一歩進めてみること。自分が経験したことで言うと、テニスをやりたいが場所が無い、という事を友達に話してみたら、その人がたまたまテニスを開催していて、すぐ場が決まったりしたんです。そこからさらに、その人の転職話になり。興味のある事を一歩進めてみると、転職の情報も聞けたりとか、思わぬことがついてきたんですね。

テニスぐらい気軽なことでいいんです。アウトプットまでしようと固くなる必要はなくて、自分が好きなことはなんでもいいと思っています。何もやらないよりは1個やってみると、おまけがついてくるような感覚ですね。笑

複業も、未経験の方だと自信がなかったり、自分なんかが複業できるのか、と思ってしまうかもしれませんが、絶対そんなことはなくて。それは自分の中で明確になっていなかったり、言語化できていなかったり、というだけな気がするんですよね。誰かと話したり、行動したりすることで実は解決できることってとても多いのではないかなと思っています。

もしそれが見つけにくいのであれば、スポットや3回セットなどでコーチングしますので私までお声がけどうぞ、という感じです!笑

ー古澤さん、本日はありがとうございました!